極彩色アリス
案の定、話に夢中の三人は私が扉に寄りかかっているのに気付いていない。
私のことなどお構いなしに、話が進んでいく。
「蘇芳と撫子がいなかったら俺らアイツに殺されてたぜ?」
「僕はなにもしてないよ、怠惰ちゃんが僕に少しでも心を許してくれてたから出来たことだし」
「何にしても、怠惰ちゃんの力はわたくし達が思うよりも強大で危険なものなのかもしれません」
用心しましょう、と強欲が二人に呼び掛けると傲慢と憤怒は静かに頷いた。
そして立ち上がりこちらを向く。
「怠惰ちゃん!?」
「っ! どうして…!?」
憤怒に至っては言葉すら出てこないみたいだ。
人は本当に驚くと声が出ないものなんだね。
呑気に人間観察をしてから口を開く。
「悪かったね、迷惑掛けたみたいで。 もう私と関わらない方がいいでしょ」
それだけ言い残しダイニングを出る。
喉の乾きはいつの間にか無くなっていた。
…ようやく、一人になれた。