極彩色アリス
兎と猫もそれに続いて行ってしまう。
残された私はしばらく動けなかった。
手に残っているアリスの手の感覚。
私より柔で小さく細いのに、物凄くたくましく感じられた。
一体、今会っていたアリスと最初に会ったアリスはどちらが本物なのだろう。
ここで考えていても答えは出そうにないためとりあえず、部屋に戻ることにした。
結局、何も貰えなかった…。
+
大階段を登り始めた頃、後ろから呼び止められる。
振り返ると嫉妬が立っていた。
用件を訪ねると、お得意の沈黙攻撃で返ってきたため無視しようと歩き出す。
するとようやく口を開いた。
低く尋問するかのような声だった。
「…………どこ、………いってた……?」
的確な質問に寒気がした。
言うわけにはいかないけど、言わないと離れてくれなさそう…。
適当にあしらって歩き出すと嫉妬は足音もなくついてきた。
あー、相手は違うけどデジャブだ。
そんなことを思いながら部屋につく。
短く挨拶をして部屋に入ろうとすると腕を引かれる。
振り向くと蝋色の目が間近にあった。
闇のように黒く暗い瞳は何かを訴えていた。