極彩色アリス

急にその目が怖くなり腕を振りほどく。
拒絶するように睨み付けると見つめられた。
私の癪に障るようなその目は私の何かを見透かしているようだった。
…見ているだけで吐き気がする。
アリスと初めて会ったときとはちょっと違う吐き気。

「…………ねぇ、…まだ、………思い…………出さない、………?」
「何のこと…?」
「……………怠惰、…は……忘れて……る、」

今度は手首を捕まれた。
思った以上の力に痛みを感じて顔を歪める。
それでも嫉妬は力を弱めてくれない。
私が逃げられないように強く握られた手は、少しだけ震えていた。
…罪悪感でもあるのかな。
(なら離せよ)

睨むのを止め、痛みを我慢して嫉妬を見つめる。
嫉妬はようやく手の力を弱めてくれた。
少し赤くなってしまった手首を優しく撫でてくれる。
なんだか擽ったい。

ちょっと嫌な顔をすると首をかしげられた。
どうしたの?、とでも言いたげな顔で見てくる。

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