極彩色アリス
……。
お互いに俯いたまま佇んでいると、嫉妬が顔を上げて顔を寄せてきた。
一歩下がると扉に背中が当たる。
下がることが出来なくなり、鼻同士がぶつかるくらいまで顔を近づけてきた。
何か喋るべきかと思って口を開いた時、
「何してるんだい?」
「「……」」
三階から下がってきた暴食に話しかけられた。
暴食は私達の状態を見て何を思ったのか、いきなり私と嫉妬の間に割って入ってきた。
そして私を自分の背中に庇うように隠すと柔らかいながらも確りとした視線で嫉妬を見つめる。
…いや、様子を伺っているようにも見える。
嫉妬は邪魔をされたのが気に入らないらしく、人を視線で殺せそうなくらいに暴食を睨んでいた。
しばらくその状態が続いたが、嫉妬が先に視線を反らした。
再び私の手首を強く掴むと己の方に引き寄せる。
細いわりにしっかりした胸元に抱き寄せられた。
驚いた様子の暴食を睨み付けながら嫉妬は私を強く抱き締める。
状況がわからないのは私だけだ。
…てか、掴まれたままの手首が痛い。
手に血がたりなくて冷たくなってきた。
…痛いな。