極彩色アリス

着いたのはダイニング。
暴食は私を椅子に座らせてから腕捲りをする。
意気揚々とキッチンに向かって歩きだす。
意図が分からず暫く彼の様子を見ていると、何かを作っているようだ。
くるくると動き回ってまるでダンスをしているようだ。
その様子を見ていると何だか疲れてきた。

ため息をついてテーブルに肘をついたとき、頭上から声がする。
それと同時に目の前にミルクティーが静かに置かれた。
甘い香りが漂うと先程まで感じていた倦怠感がスッと抜けていくようだった。

「とりあえず、いくつか作ってみたんだ。 この中で怠惰ちゃんが気に入ったもの教えて?」

ミルクティーを一口含んでからテーブルを見てやる。
目の前には色鮮やかに飾られたスウィーツが所狭しと並んでいて、食べられるのを今か今かと待っていた。

フルーツを贅沢に使ったタルトとバナナと生クリームたっぷりのチョコレートパフェ。
さくさくのアップルパイに濃厚そうなチーズケーキ。
他にもシュークリームやマドレーヌ、シフォンケーキに和菓子まである。

…あの短時間でこの量を作った?
……………、おかしいって。

暴食を見てやると微笑んだままこちらを見ている。
まぁ、食べないわけにはいかないな。

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