極彩色アリス
渋々、フォークを持ち手前にあるタルトを一口。
美味しいけど、私の一番にはなれそうになかった。
次はクッキー、マドレーヌ、チーズケーキ……。
暴食が薦めるままに一口ずつ味見していくが、なかなか一番になりえるものが出てこない。
追加といって暴食は見たこともないお菓子をキッチンから持ってきた。
…それでも、私にとっては美味しいスウィーツでしかなかった。
いい加減甘いものにも飽きてきて食べる手を止めてしまうと、休憩と言いながら暴食がコーヒーを淹れてくれた。
ブラックだから一口飲んだだけで苦さで顔を歪めた。
でも、甘くなりすぎた口にはちょうどいいのかな?
苦いけど美味しいコーヒーを飲みながら思案顔の暴食を盗み見た。
…私のためにここまでしてくれた人は今までいなかった。
少しだけ、照れ臭かったけど嬉しかった。
自分を気にかけてくれたことが。
………、そこまで思ってから思考を止める。
もしかしたら、私を信用させるための罠なのかもしれないから。
私を陥れようとしたやからは五万といたし…。
これもこいつの作戦じゃ…
「怠惰ちゃん、最後にこれを食べてくれない?」
「……プリン?」