極彩色アリス
出てきたのは何のへんてつもないプリンが一つ。
強いて言うなら多少見てくれが悪いくらいでどこにでも売っていそうなこれが最後こスウィーツ。
首をかしげながら口に運んだ。
「……! おいしい!!」
先程まで食べていたスウィーツの中で一番の、とびきりおいしいお菓子だった。
一番好きなもの…。
「このプリンが一番だな」
自分の気持ちを素直に打ち明けると暴食は嬉しそうに顔を綻ばせた。
頬を紅潮させ恥ずかしそうに頭を掻く。
その顔を見ていると、先程までの考えがバカらしくなってきた。
こいつは裏をかくような考えは出来ないだろう、歪んだ私と違って。
食べきれなかったお菓子は暴食がどんどん消費していく。
目の前から姿を消していくお菓子を哀れみながらプリンを一口ずつ味わって食べる。
やっぱり、これがいい。
無意識に口許が緩んだとき、ダイニングの扉が開いた。
見ると皆が不思議そうな顔をして立っていた。
あ、もう7時か…。
ポケットから取り出した懐中時計を見ながらため息をついた。
…夕飯、入らないな。