極彩色アリス
ダイニングの扉を開くといい香りが鼻を擽ってきた。
昨日の重い雰囲気なんて嘘のように皆で笑い合っている。
勿論、扉を開けたときから私も話に加えられているで適当な挨拶だけ返して席につく。
眩しいくらいの明るい朝の光景。
これが明日のゲームでどう変わってしまうのか、はたまた、変わらないのか……。
今の私には分からないし、知りたいとも思わなかった。
知っているのは、この館の主であり、全ての罪と罰の【アリス】だけである。
朝から下らない話に花を咲かせて朝食を摂る。
ここに来て少しだけ食事が楽しくなったのは何故だろうか。
初日なんかは皆に注意を受けていた私だけど、今は何も言われなくなった。
呆れられたのか、行儀が良くなったのかは分からないけど。
少しだけ、味も分かるようになってきた。
向こうの世界では味なんて気にしなかったし。
今の方が人らしい生き方をしているような気がする。
…なんだか、変な感じだな。