極彩色アリス
首から下げている鍵のペンダントを引き取ってパーカーのポケットに入っている【あれ】にぶつける。
小さな鐘音を鳴らすと、体を多い尽くすほどの蝶がポケットから出てくる。
蝶たちは私を庇うように群れをなし、落下スピードを極限まで落としてくれる。
目の前を彼らが通過していく。
私を見て驚きの表情をして落ちていった。
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「…っと、」
蝶達にゆっくり下ろしてもらいながら地面に足をつける。
浮遊感がまだ残っているみたいで少しフラフラする。
靄がかった周囲を見渡すと私より先に降りていた他のやつらの姿を見つける。
……そういえば、目立った音が聞こえなかった。
誰も派手に落下した奴はいないみたいだ。
流石に【アリス候補者】なだけある。
己の能力を既に使いこなせているみたい。
恐らく、この靄で誰がどの様な能力を使ったのかは分からないだろう。
お楽しみは、後にとっておかないとつまらない。
てな訳で、バレる前に蝶達に帰るように命令する。
人差し指で宙に輪を描くと蝶たちはポケットの【あれ】に戻っていった。