極彩色アリス

ベッドから離れ小さな机に近寄る。
机上には革貼りの本が置かれていた。
側には最近使ったと思われる羽ペン。
明らかに誰かが使っている部屋は何処と無く気味が悪かった。

本を手に取り捲ってみる。
内容は日記のようで、細かく日付と時間が記されていた。

ページを捲るにつれて見覚えがあることが書かれていることに気が付く。
一週間前の日付の日記には、私たちがここに来たことが記されている。
次の日は私が憤怒に首を絞められたことまで書かれていた。
え、なんだか個人のプライバシーが駄々漏れなんだけど…。
私以外にも皆のことが書かれていた。

この本は気になるな…。
本に見入っていると部屋の隅に置かれている大きな古時計が鳴り出す。
見ると18時を指している。

……おかしい。
私がここに来たのは朝食のすぐ後だ。
まさかと思い、ポケットから懐中時計を取り出して時間を確認した。
18時…。
……いつの間にこんなに時間が経ってしまったのだろうか。
このまま探索したらまた時間が経ってしまうだろう。
私は本をもとの場所に戻してから子供部屋を後にした。


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