極彩色アリス
ダイニングでは既に夕食が始まっていた。
小さく謝罪した後フォークを持ってサラダを食べ始める。
真っ赤なプチトマトをフォークで突き刺す。
中から汁が飛び出した。
今日の夕食は冷めきっていた。
あ、ご飯がじゃないよ? 雰囲気が。
明日のゲームについて各々考えることがあるのだろう。
食器がぶつかる音だけが響くダイニングは異様な空気で包まれていた。
真っ黒な壁紙も同調して重い雰囲気の中で進められる夕食は正に異形。
フォークに突き刺さったプチトマトを口に運ぶ。
口内で噛み潰すとプチっと汁を飛び散らせて原型を残すことなく唾液を絡ませて飲み込まれていった。
飲みかけのオレンジジュースを一気に飲み干し、席を立つ。
椅子の脚が床を鳴らすと皆がこちらを振り向く。
その視線を背中に感じながらキッチンで洗い物を済ませ、まだ食べている皆を一瞥してからダイニングを出ていく。
一足早く、アリスの間に向かって歩き出した。