レオニスの泪
「おとななのに、アフロ、知らないのぉ?」
慧が無邪気に神成を小馬鹿にする。
純粋に、常識として皆知っていると思っているのだろう。
だから、本当に驚いているだけなのだろうけれど、親としては、恥ずかしいやら何やらで、いたたまれない。
「えっと……ブロッコリーの事です、すいません。」
仕方なく神成の背中に向かって通訳すると、隣の空気が停止した。
「え!?ぶろ、、っこり!?!?!」
慧に目を向けると、慧が驚愕の事実を知った、という位深刻な顔をしている。
なんなら、ガーンという効果音もついてきそうだ。
「あ、え、えっとえっと……慧、大丈夫!なんというか、あの緑のは、ブロッコリー・アフロという名前で……」
「ぶっ……」
今迄面白半分につけていた周囲の物の名前は、本来は正式名称ではなかったと、でも間違いじゃないんだよと、焦って慧に釈明していると。