レオニスの泪


「おとななのに、アフロ、知らないのぉ?」

慧が無邪気に神成を小馬鹿にする。

純粋に、常識として皆知っていると思っているのだろう。

だから、本当に驚いているだけなのだろうけれど、親としては、恥ずかしいやら何やらで、いたたまれない。


「えっと……ブロッコリーの事です、すいません。」


仕方なく神成の背中に向かって通訳すると、隣の空気が停止した。


「え!?ぶろ、、っこり!?!?!」


慧に目を向けると、慧が驚愕の事実を知った、という位深刻な顔をしている。

なんなら、ガーンという効果音もついてきそうだ。


「あ、え、えっとえっと……慧、大丈夫!なんというか、あの緑のは、ブロッコリー・アフロという名前で……」

「ぶっ……」


今迄面白半分につけていた周囲の物の名前は、本来は正式名称ではなかったと、でも間違いじゃないんだよと、焦って慧に釈明していると。









< 420 / 533 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop