幕末オオカミ 第三部 夢想散華編


平和な世で、みんなが生きていたら、きっと、抱き合って泣いて喜んだのにね。


近藤局長なんか間違いなく号泣だし、他のみんなは、下品な冗談でからかいながらも一緒に喜んでくれただろう。


そんなことを想像すると、また涙が溢れた。


総司にとってもきっと大事な子の命を、危険にさらすようなことをしてごめんね。


それでもあたしは、あんたの傍にいたいんだ。


たとえ、三人一緒に散り行く運命だとしても、最後まで一緒にいよう。


最後の最後まで、同じ景色を見て、同じ空気を吸って、生きていよう。


ねえ、赤ちゃん。


お母さん、がんばるよ。


絶対あきらめたりしない。


だからどうか、見守っていてね。


あたしが臆病者にならなくてすむように。



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