暴走族に愛された不登校女子。
「僕は音楽の才能、あると思う?」
不意に聞かれて思わず、静くんを見つめた。
静くんも見つめ返して、真剣な眼差しを向けていた。
あたしは迷いの無い言葉で伝えた。
「あるに決まってるじゃん!
ないと思うなら、自分で才能を磨けばいいんだよ。
才能がない人なんていないんだから。
皆、色んな個性を持ってるよ」
「だよね。そういうと思った」
「予想してたの?」
「段々、杏の言うことわかってきたからね」
「本当に、予想するのが好きなのは変わらないね」
「杏こそ」
笑いあう日々。それは昔からずっとだった。
だからまた再会が出来て、本当に嬉しい。
「蒼太とも、今度会おうね」