暴走族に愛された不登校女子。
この部屋の床に寝転んだことなんて、
今までで1度もなかった。
ふとそんなことを考えていると、
直樹がまた口を開いた。
「天井ってな。すげーんだぞ…。
こんな柄も何にも入ってねぇのに、ずっと見てられるんだよ。
俺は布団とかより、床に寝転ぶほうがいい」
「……直樹って、本当に不思議な人だね」
「…俺は今まで誰かと、関わりを持つのが嫌いだった」
直樹がぽつりと呟いて、
自分の過去を話し始めた。
あたしは静かに耳を傾けた。
「俺の母さんは、父さんと夜逃げしたんだ……。
あんなに離婚して嫌だったはずの、父さんとな…」
あたしは隣に寝転ぶ直樹に視線を向けると、直樹は天井をただ見つめていた。
「…俺は引き止められなかった。
俺と妹は、母さんが出て行ったら、もう死んだも同然だったからな…」