ふたりでひとつ


飛鳥は真剣な眼差しを向けて、
ぎゅっと優しく抱きしめてきた。

「俺は、芽衣が好き
生まれた時からずっと」

「ぇ、私たち兄妹だよ…」

「うん、でもずっと好きだった
でも芽衣を困らせたくなくて
言わなかったのに…芽衣のせい」

「ぜ、全然知らなかった…」

「声、震えてる。
俺の事怖い??」

「う、ううん…怖くない」

「よかった
芽衣、もし俺の事受け入れるなら
芽衣からキスして
俺はなにがあっても芽衣だけだから
無理なら俺はもう芽衣には関わらない」

…関わらない、それをきいたとき
私は絶対無理だと思った
16年間ずっと飛鳥と一緒だった

「ずるいよ、飛鳥はずるい」

「ずるくていいよ、芽衣が
俺のものになってくれるならそれで」

「…ずるい」

チュッと小さい、遠慮がちなキス。

「ずるいのは芽衣。
いつでも俺をクラクラさせる」
< 10 / 39 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop