ふたりでひとつ
飛鳥は真剣な眼差しを向けて、
ぎゅっと優しく抱きしめてきた。
「俺は、芽衣が好き
生まれた時からずっと」
「ぇ、私たち兄妹だよ…」
「うん、でもずっと好きだった
でも芽衣を困らせたくなくて
言わなかったのに…芽衣のせい」
「ぜ、全然知らなかった…」
「声、震えてる。
俺の事怖い??」
「う、ううん…怖くない」
「よかった
芽衣、もし俺の事受け入れるなら
芽衣からキスして
俺はなにがあっても芽衣だけだから
無理なら俺はもう芽衣には関わらない」
…関わらない、それをきいたとき
私は絶対無理だと思った
16年間ずっと飛鳥と一緒だった
「ずるいよ、飛鳥はずるい」
「ずるくていいよ、芽衣が
俺のものになってくれるならそれで」
「…ずるい」
チュッと小さい、遠慮がちなキス。
「ずるいのは芽衣。
いつでも俺をクラクラさせる」