怖がりな君と嘘つきな私
「ナル、なんかあった?」

布団をめくってナルの隣に潜り込んだ。

「花穂、冷たい。」

ナルはいつもうちに来た時に着るパーカー姿だった。
首にはピーチピンクのネックウォーマー。
私が寝るときにするやつ。

「外、寒かったもん。」

ナルは何も言わずに、私の胸に顔をうずめた。

その金髪頭に指を入れて、すくように優しく撫でてやる。



「昨日の深夜、テレビで古い映画してたんだよ。」

「古い映画?どんな?」

「トム・クルーズの出てるやつ。」

「トム・クルーズ?どんな話?」

「宇宙からなんか攻めてくるんだ。すげぇ強くて、地球がフルボッコされる。怖かった。」

ナルは昔からそういう映画が苦手だ。
戦争とか侵略とか隕石とか。

怖いくせになんで見たかなぁ。


< 4 / 10 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop