よくばりな恋
撫でられる手の優しさに、大好きな大きな暖かい手を思い出し胸が詰まる。
でもおばさま、わたしがワガママを言うと困るでしょう?欲しくてたまらないものがあるけれど、それを言っても誰も幸せになれないから、だからわたしは黙っていようと決めたんです。
おばさまがナプキンをとり、軽く口を押さえる。
「わたし、この後予定があって忘年会のホテルまで送ってあげられないけど、カボチャの馬車とネズミの御者は用意してあげたから、下のラウンジで待ってるといいわ」
カボチャの馬車とネズミの御者・・・・・?
おばさまとエレベーターで下に降り、ロビーで別れる。
チェックインのお客さんで少し込み合うフロントから離れ、おばさまに言われたようにラウンジのソファーに座って待つ。忘年会、欠席するつもりだったのに・・・・・。
「廣田さん!!」