禁止すれすれ!?恋愛
 「俺は教師っていう仕事の内容がどんなものか知らないけど……」


 考えてたことが顔に出てたのか、裕介が話し出した。

 テレビからはCMの音楽や声が聞こえてくる。


 「親父は結構忙しそうだった。」

 「うん。」

 「それで俺も小さい頃から家で一人のことが多かった。」

 「うん。」


 下に目を逸らしながら話し続ける。

 それは、なんだかすごく寂しそうに見えた。


 「それでもちょっと休みが取れたりしたら俺との時間も作ってくれた。」

 「うん。」

 「だけど高校に入って少しするとそれが減ってきた。
 学校でよく親父と顔を会わせたから別にその繁度は以前と変わらないものだった。」

 「うん。」


 裕介がどうして今そんな話をするのか、意図が見えてこない。


 「すぐ分かったよ。
 原因は女だって。
 分かって……嬉しかった。」

 「え?」


 予想しなかった展開と言葉。



 嬉しかったの?



 「俺のせいで自分の時間を持てなかった親父がやっと、自分の時間を持てた。
 それにもし親父が早くその女を連れて来るか紹介するかすれば、もっと俺に気を使ったりせず自分の時間を持てるんじゃないかと思った。
 だから早く彼女を紹介しろって催促したりした。」

 「…………」

 「……でも、まさかお前だとは思わなかったよ。」


 最後に、裕介はあたしを見て小さく笑った。

 最後の言葉を言う前、戸惑ったような表情が広がっていたのが気になった。

 言っていいのか困ったような、言いたいけどダメだと自制しているような、そんな表情だった。

 どうしてそんな顔をしたのか聞きたかったけど、とても言えるような雰囲気じゃなかった。

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