沖田総司と運命の駄犬



皆に、お酌をして回り最後に、沖田先輩の前に立ったときに、足が止まった。



梓「っ!」




沖田先輩の隣には、綺麗な芸妓さんが座っていて、その芸妓さんの手が、沖田先輩の太ももに置かれていた。




しなだれかかるその人は、とても、綺麗で、色っぽい・・・。




同じような格好をしていても、全然違う。



突っ立ったまんまの私に、沖田先輩が気付いて、意地悪な笑みを浮かべた。




沖田「本当に、馬子にも衣装ってこの事だね。里音とは、月とスッポンだよ。」




そう言うと、隣に座っている芸妓さんが、私に微笑む。




里音「はじめまして。いつも、沖田先生には、ご贔屓にして頂いております。私、天神の里音と申します。よろしゅうに。」




梓「はじめまして・・・。寺井 梓です・・・。ははっ!里音さん、ほ、本当に綺麗ですね・・・。本当に・・・っ。つ、月とスッポンとは、この事で・・・っ。・・・失礼しますっ!」





私は、その場から、離れて、部屋を出た。
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