素顔のキスは残業後に【番外編】第2話完結
「新作ドレッシング、どう?」
囁きと共に、ひんやりとしたスプーンの感触が唇に押し込められた。
※※※
栢原さんのお手製ランチを食べた、数時間後。
一日の仕事を終えた太陽が部屋を色濃いオレンジ色に染めていく。
「さっきから変な顔してるけど、昼飯不味かったか?」
「そんな事ないです。すごく美味しかったですよ」
「――なら、よかった」
柏原さんの料理が不味かった事なんて、ただの一度もない。
明太子パスタに、手作りドレッシングで味付けしたサラダまで作って頂き、満足満足。
――だけど、ね? ですけど、ね?
ソファの背もたれに身を預け、優雅に足を組む柏原さんを軽く睨んでやる。
ついさっきのキスの未遂。
寸止めされただけでなく、キスを求める顔をじっくりと見られて滅茶苦茶恥ずかしかった。