恋はしょうがない。〜職員室の新婚生活〜



旅行業者とも打ち合わせをしなければならない戸部は、参加人数が確定しないことに困っているようだった。


不登校でなくとも、家庭の事情などで修学旅行に参加できない生徒は、少ないけれど他にもいる。だから戸部にとっては、仮に佳音が参加しないとしても、大した問題ではないようだ。


でも、古庄の中ではそういう風に処理できない。
佳音が修学旅行に参加しないのは、“自分”とのことが原因だなんて、もってのほかだった。

修学旅行の積立金はしているはずだから、何としても佳音を説得して、参加はさせなければならない。


「早急に確認してみます。多分参加すると思いますから、そのように進めておいてください」


そう言って戸部には返答したが、もうあまり時間はなく、これ以上待たせると戸部にも迷惑をかけてしまう。
古庄は後ろ頭を掻きながら、思案に暮れた。



とりあえず、佳音のことは早急に解決しなければならない。
古庄は何度か佳音の家に足を運び、再三にわたって電話をしてみたが、どれも空振りに終わった。

もしかしてまた、夜の街をさまよっているのかもしれない…。



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