恋はしょうがない。〜職員室の新婚生活〜
「…でも、大丈夫です。長い間じゃないし、修学旅行の間くらい何とかなります」
「何とかならなくなったらどうするんだ?旅先で不測の事態になったら?」
まさに、売り言葉に買い言葉。徐々に熱くなっていく二人の応酬を、他の教員たちは黙って聞いていたが、内心は驚いていた。
この二人が、こんな風に感情的になって言葉を放つところなんて、これまで誰も見たことがなかったから。
そんな周囲の空気に気が付いて、真琴は言い返そうとする言葉をグッと呑み込んだ。
けれども、真琴を本気で心配しているからこその古庄の言動は、止まることを知らなかった。
「いっそのこと3組の引率は副担任の高原先生に任せて、賀川先生には居残り組を任せたらどうですか?」
突然発せられた古庄の言葉に、真琴の顔色が変わる。
それと同時に、他の教員にもどよめきが走った。
「…ちょ、ちょっと。賀川先生のことは、確かに心配だけど。それじゃ、女の引率教員が私一人になるじゃない」
あわてて、そう言い始めたのは石井だ。
「女の先生が一人になるのは、困るな」
と、学年主任も石井を援護する。