恋はしょうがない。〜職員室の新婚生活〜
「今は…?着替えと荷物整理だな。ウェアをきちんと揃えて戻すように、声掛けして…。30分後には夕食だ」
真琴も頷いて、石井と平沢と共に一旦その場を離れ、女子の部屋を手分けして回った。
廊下の窓の外を見ると、徐々に暗くなっていく夕暮れの中、先ほどよりも雪がいっそう激しく降りはじめ、風も出てきている。
真琴の心の中にも、不安という黒い霧が立ち込めて、前も後ろも見えなくなりそうだった。
引率の教員たちも心配のあまり、ゆっくりすることもできず、申合せるでもなく誰もがロビーにいる学年主任のもとへと集まって来る。
夕暮れとともに、捜索にあたっていた教員たちも、一人二人と戻ってきていた。
依然、状況が好転する情報は入って来ていないようで、重苦しい空気が漂う。
もうすぐ夕食の時間になる。
……そして、警察にも届けを出さなければいけない時間も迫っている。
でも、届けを出しても、日が落ちてしまったとあっては、捜索をしてくれるかどうか難しいところだろう。
息の詰まるような緊迫した空間の中でも、誰もその場から離れられず、うな垂れて椅子に座り込み、時が流れるのを待つしかない。