恋はしょうがない。〜職員室の新婚生活〜
山の天気は変わりやすい…。
そんな言葉があるように、急に降り出した雪は逆に、古庄が気づくとピタリと止んでいた。
雲がめまぐるしく動き、星空が見えてくる。すると、古庄の頭上にはぽっかりと丸く明るい月が顔をだし、辺りを明るく照らし始めた。
半ば、雪に埋もれてしまいそうになっていた体を、雪の中から立ち上がらせると、古庄は辺りを見回した。
先ほどとは一変し、輝く月と一面の銀世界に反射する光とで、辺りはまるで昼間のようだった。
――月の出ている今がチャンスだ…!
そう思った古庄は、雪の中に刺していたスキーを掘り起し、柔らかい雪の上に放り投げて、それを即座に装着した。
ぐずぐずしていると、また月が姿を隠して、何も見えなくなってしまう。
雪と闇に邪魔されなくなったら、自分の来た方向が手に取るように分かった。
10分足らずで、古庄は中級者コースへと戻ることができ、そしてそのまま月明かりを頼りにコースを滑り降りて、帰って来られたというわけだ。
――神様はいてくれた…!
真琴はそう思わずにはいられなかった。
古庄を守ってくれた全てのものに、感謝してもしきれないほどだった。