恋はしょうがない。〜職員室の新婚生活〜
「俺にとっちゃ、笑い事じゃないけどな」
「…すみません」
肩をすくませて謝る真琴に、古庄は優しい視線を向けて笑いかける。
「でも、姉貴のおかげで、俺は大概のことは出来るようになったぜ。君は、いい男と結婚したな!」
自画自賛する古庄を面白く感じて、真琴は声を立てて、また笑った。
そもそも、そこにいるだけで“いい男”ということは、誰もが認めるほどの古庄なのに、まるで自分をそんな風に自覚していないところが、すごくおかしい。
「あっ!笑うってことは、そう思ってないな?」
拗ねたようにそう言ってはいるが、古庄はもっと優しい目で真琴に笑いかけた。
そんな目をされると、真琴の胸はまたキュンと切なく絞られる――。
「…いいえ、あなたは私には、もったいないくらい素晴らしい旦那様です」
…とてつもなくかっこ良くて、とても高潔で優しく献身的で、仕事もできて賢くて、スポーツも家事も何でもできて…
本当に古庄は、その圧倒的な容姿にふさわしい人間性を持ち合わせていて、自分にはとんでもないくらい過ぎた相手だと、真琴はしみじみと思った。
真琴が真面目に答えてくれたので、古庄の胸もキュンと痺れて、ふと食器を洗う手が止まる。