恋はしょうがない。〜職員室の新婚生活〜
「…いえ、そうじゃなくて。……?」
真琴はもう一度首をかしげて、自分のお腹の様子を窺った。
古庄も真琴の傍で、一緒になってお腹を覗き込む。
「……これは、胎動…?」
自信なさそうに、真琴がそうつぶやくと、古庄の顔つきが歓喜の色を帯びた。
「ホントか…!?」
「…よく判らないんですけど、泡がはじけるような、お腹の内側からくすぐられてるような感じがするんです」
「……それが、胎動なのか?」
と、古庄は真琴のパジャマをめくり上げて、見た目にも大きくなった真琴のお腹へと、直に手のひらを当てた。
「うん…。よく判らないな…」
「だから、よく判らないんです…。気のせいだったのかも……あっ、また!?」
「……!!?」
「やっぱり…、これ、胎動だと思います。まだ、ほんの微かですけど…」
それを聞いて、古庄は満足そうに微笑み、愛おしそうに何度も真琴のお腹を撫でさする。
「順調に成長している証拠だな。おーい、父さんだぞ!!早く会いたいよ!早く出てこい!」
そして、真琴のお腹に向かって、そう叫んだ。
「…まだ、出てきてもらっちゃ困ります!今産まれても、まだ未熟児です」
真琴が焦ってそう言うと、古庄は目を丸くした後、可笑しそうに噴き出した。