恋はしょうがない。〜職員室の新婚生活〜




「それもそうか。まだ産まれてきちゃいけないんだな。…それに、俺もまだ君と二人きりの時間を楽しみたい」


と、意味深な目で古庄から見つめられて、真琴の胸がドキッと反応する。



「…楽しむって…?」



ドギマギしながら古庄の目を見つめ返すと、その目は真琴のすぐ近くまで迫って来ていた。



「楽しむって、こういうことだよ」



と、囁かれると同時に真琴の視界は遮られ、古庄は真琴の唇を自分のそれで覆い、息も吐かせないキスをする。

お互いの唇を離した時の、トロンと夢を見ているような真琴の目に、古庄はますます触発されて、真琴の耳から首筋へと唇を這わせる。


その時を見計らったかのように、古庄の携帯電話の着信音が鳴った。



「………」


「……携帯が、鳴ってます…」



古庄としては何とか無視したかったが、真琴にはそれが出来ない。
古庄は歯ぎしりして、真琴の肌から唇を離した。



「…くそう!所構わず無遠慮に鳴る携帯電話って、…やっぱり嫌いだ!」


忌々しそうに、自分のスーツのポケットを漁って、携帯電話を取り出している古庄を見ながら、


――やっぱり、携帯電話が嫌いだから、持ち歩かないのね……


と、真琴もため息をついた。



< 215 / 343 >

この作品をシェア

pagetop