恋はしょうがない。〜職員室の新婚生活〜
佳音は唇を噛んで意を決し、もう一つ、自分だけが目撃した事実を暴露する。
「それに、私見ちゃったんだから!古庄先生が、ここで賀川先生とキスしているところ…!」
これには、クラス中が息を呑んで驚いた顔をした。
「………古庄ちゃん、案外大胆なことするんだな……」
一人の男子生徒が、ポツリとつぶやいた。
その次の瞬間、佳音の意図とは裏腹に、クラスメートたちは少し呆れたように和やかな息をもらした。
「そりゃ、子どもも作ってるんだから、キスくらいしても当たり前じゃね?」
「あ!あたしも放課後、隣の教室であの二人が寄り添って話をしてるの、見かけたことあるよ」
そんな声が、教室のどこそこから聞こえてくる。
まるで相手にしてもらえない佳音は釈然とせず、収まりきれない面持ちでクラスメートたちを見渡した。
そんな佳音を見るに見かねて、数人の女の子たちが駆け寄ってくる。
「…ね、佳音ちゃん。みんな、こうして知ってることだけど。先生たちは内緒にしているみたいだから、誰もが口に出さないようにしているだけなの」