恋はしょうがない。〜職員室の新婚生活〜



「……朝からそんな話、やめてください……!!」


ますます真っ赤な顔になって、真琴はやっとのことでそれだけ絞り出し、古庄を睨みつけた。

そんな顔をされても、昨日の真琴の想いを知った古庄には、何も怖いものはなかった。



声を立てて笑う、古庄の朗らかな声が廊下に響いて、向こうから歩いて来ている女子生徒たちが、古庄と真琴の方へと視線を向けた。


古庄も何の気なしにそちらを見て、その女子の中の一人に目が留まると……、瞬時に笑いが消え去っていく。


「おはよう。……どうした?」


歩み寄る古庄に、女の子たちが応えて言う。


「おはようございます。佳音ちゃんがちょっと…気分が悪いそうなので、保健室に行ってきます…」


「…そうか、解った…」


古庄が頷くと、女の子たちは側にいた真琴にも会釈をし、通り過ぎていく。



佳音は泣いているように見えた……。


その涙の意味を考えると、真琴の胸も複雑さを通り越えて、痛みを伴ってくる。

あれだけ激しい想いを抱えながら、その想いが叶わなかった時…、佳音のその絶望感は計り知れない。


「……森園は昨日の今日で、登校して来てないかと思ってたけど…、とりあえず来てくれたから、安心したよ……」



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