恋はしょうがない。〜職員室の新婚生活〜
古庄のクラスの女の子たちが、佳音を連れて向かったのは、保健室ではなく、人目につかない非常階段の踊り場だった。
そこで、一人の女の子が佳音と向かい合って口を開く。
「佳音ちゃんも……古庄先生のことが、好きなんだよね?」
そう問いかけられても、心を開いていない相手に、佳音は素直にその事実を認められなかった。
「……あなたたちだって、古庄先生の取り巻きしてたじゃない……」
佳音は視線は合さず、そう言い放つと唇を噛んだ。
彼女たちは、いつも古庄の周りにいる女の子グループの一つで、古庄に近づきたい佳音の欲求を阻む存在だった。
「うん……私たちも、古庄先生のこと…憧れてたし……すごく大好きだった……」
「私たちだけじゃなくて、この学校の女の子は、想いの度合いや想い方は違ってても……みんな一度は古庄先生に恋をするんだと思う……」
佳音の両腕を支えてくれている女の子が、口々に佳音に語りかける。
「だけどね、ずっと古庄先生と一緒にいたら、分ってしまったのよ。……古庄先生は、賀川先生のことが好きなんだって」
「それも、とても純粋に、一途に想っているってことは……古庄先生のあの目を見たら分かる……」
「古庄先生って、裏表がないから隠せないんだよね」