恋はしょうがない。〜職員室の新婚生活〜



昨日は、あんなに言葉と行動で自分を突き放しておきながら、こんな風に送ってくれる古庄の真意が分からない…。


そんな佳音の戸惑いはよそに、古庄は余計な話もせず、ただ車を運転している。



あまりの気まずさに佳音が窓の外へと目をやると…、そこには見慣れない街並みがあった。



「……どこに、行ってるの……?」


思いがけないことに触発されて、佳音は無意識のうちに、その日初めて古庄に口を利いた。



「俺の家だ。…前に来たいって言ってただろう?今日は一緒に夕飯でも食べよう」



「………!?」



佳音は目を剥いて固まった。

確かに、クリスマスイブの日、佳音は古庄の家に行きたいと言った。
でもそれは、生徒と教師の関係以上になりたかったからに他ならない。


佳音は何度も古庄から拒絶され、古庄が真琴を愛していることも知っている…。

それなのに、どうして今になって、古庄はそんなことを言い出すだろう…?


本当に古庄の真意が分からず、佳音は困惑して言葉も出なかった。

先が見通せない不安と、真っ黒に塗りつぶそうとしていた古庄への想いが、佳音の胸に交錯する。



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