イケメンヤンキーに愛されて

それから、姫ちゃん、一成君、真君、の順でルーレットを回して、よりにもよって全員ゴールしてしまった。

「はい、終了~!持ち金が一番多い人が、勝ちね」
「ちっ・・・」

誰が持ち金が多いかなんて、一目瞭然。

「翔君が一番じゃないっ!」
「そーだな」

やや怒ったあたしの声に、翔君がバカにしたような返事をしてきた。
反抗しようとも思ったが、このままケンカしてもたいした意味はないと考え直し、聞かなかったふりをした。

「で、今回の最下位は?」

翔君が、最下位が誰かなんて目に見えてわかっているのに、わざと聞いてきた。
悔しかったが、おそるおそるあたしは手を挙げた。

「最下位、あたし・・・」

皆の顔をみると、驚いた顔をしていた。
姫ちゃんまでもが。

3回戦、最下位、愛結。
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