ダーリンは財閥

同棲生活

会社に着くと皆が何やら騒いでいた。

私は同僚に

「どうしたの」

と聞いた。

「代表の結婚式来年のイブに決まったんだって」

私は唖然としてしまった。

《招待状迄出来てて俺を信じろって本当意味不明》

と苛立った。

その日は仕事もほぼ手に付かなかった。

私は足早に帰宅して寝てる拓哉を起こした。

「招待状迄作って信じろですってこれ見ても知らないと言える」

拓哉は招待状を取り上げ目を通すと

「マジにもう勘弁しねー
ともかく俺を信じろ」

と出て行ってしまった。

一人取り残された私は涙が溢れるのを止めれなかった。

拓哉の寝てたベッドに顔を埋め思わず

「帰って来てよ拓哉」

とうずくまりながら泣き叫んだ。
ドアをノックする音が聞こえて

「愛?開けて」

私は泣きながらドアを開けた。

拓哉が息切らしながら立ってた。
私は泣きながら抱き付いた。

「拓哉ぁ拓哉ぁ」

拓哉は強く抱き締めてくれて

「ゴメンなもう絶対離さないから絶対離さないから」

部屋でずっと拓哉にすがりながら私は泣いてた。

「愛一緒に暮らそうか」

私は驚く事しか出来なかった。

「俺と住むの嫌か」

「嫌じゃないけど親反対してるんだよ」

「もう愛を離したくないんだ」

そう言うと強く抱きしめられた。私は

「お母さんにばれたら何されるか分からないよ、私怖い」

「俺が絶対守ってやるから」

拓哉の目には涙が溢れそうな位たまってた。


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