Sweet Lover
「真朝、風邪引くよ?」

英語のノートに突っ伏して眠っていた私の、背中に温かい手が乗った。

「あれ?
 もう終わり?」

「もう、夕方」

くすりと笑って、響哉さんが私の頭を撫でる。

そのまま顎を触って顔を持ち上げて……

「うわぁあっ」

「煩いよ、マーサ」

放してくれる気がないみたい。

「いやいやいやっ」

怯える私の唇を手で押さえて、その上にキスをする。

「人が見てないところではキスしてくれるんじゃなかったの?」

「……意地悪っ」

私は響哉さんに抱き寄せられるまま、その胸に頭を埋める。

跳ね上がった心臓が、落ち着かない。
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