Sweet Lover
「友達なの?」

「離せば長くなるけど、一言でまとめるとそんなところ。
 大学時代に同じサークルだった」

「じゃあ、パパやママのことも知ってるのね?」

「そう」

響哉さんは言って懐かしそうに眼を細めた。

「ねぇ、響哉さん。
 ママと――」


キスしたの?
ママのこと、好きだったの?
私は、その身代わり?
ママにそっくりだから?

軽く聞けるかと思ったけれど、響哉さんの瞳を見ていたら、続きの言葉が言えなくなった。

だって、答えがYesだったら、どうしたらいいのか分からなくなっちゃう。

「ん?」

響哉さんは、続きを待っている。

「ママとパパのこと、もっと聞かせて」

響哉さんの瞳に、一瞬、切なさにも似た不安の色が過ぎる。
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