Sweet Lover
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『あら、もうこんな時間じゃない。
 真朝ちゃん、お昼寝の時間よ』

ママの声に、小さな私はいやぁと首を横に振る。

『今寝ておかないと夕方眠くなって、夜、眠れなくなるでしょう?』

『やぁっ』

ママの言葉には耳を貸さず、一方的にそう言って、一緒にテディベアで遊んでくれているキョー兄ちゃんに抱きついた。

『だって、私が寝ている間に、帰っちゃうでしょう?』

『また、遊びに来るよ』

キョー兄ちゃんはにこりと笑って造作もなくそう言った。

『いやっ』

『こらこら、真朝ちゃん。
 そんなに抱きついたら、いくらなんでも熱くて、響哉も困るよ』

パパが苦笑しながらそう言った。


鼻をくすぐる甘い香りは、さっき食べたスイカの匂い。
遠くからは風鈴の音が聞こえてくる。
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