Sweet Lover
『いやぁっ』

半べその私を見て、キョー兄ちゃんが笑う。

『じゃあ、一緒に寝てあげようか?』

『ちょっと、須藤くん?』

ママが驚いた声を出した。

『いいじゃない、別に。
 添い寝くらい。その方が朝香ちゃんも困らないんじゃないの?』

『でも……』

大人の話なんて、ちっとも聞いてはいなかった。
私に分かったのは、今からキョー兄ちゃんと一緒に寝れるっていうことだけ。

『一緒におひるねするのっ』

キョー兄ちゃんの手を引っ張って、寝室へと連れて行こうとする私に、パパが言った。

『リビングのラグの上に、タオルケット引いてもらったら?』

『……仕方ないわね。
 本当、これ以上真朝を甘やかさないでね』

ママのため息混じりの声に、キョー兄ちゃんは笑って『平気だって』なんて言っている。
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