Sweet Lover
【佐伯 頼太side】

「また後で電話する」

響哉の掠れた声が、耳に残る。

俺はため息を呑みこんで、顔をあげた。
目の前には、須藤家の優秀な執事、ヘンリーが居る。

いくらなんだって、そう、無様な姿をさらせるもんじゃない。

「カメラの映像は見られたんですよね?」

「ああ。
 間違いない。
 映像を加工でもしてない限り、彼女はこのマンションの中に居る」

俺は自信を持って、そう言い切った。
ヘンリーは、少し不服そうに肩を竦める。

「先ほどそう仰っていたので、こちらも心当たりは当たってみたのですが――」
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