Sweet Lover
そして、響哉さんは黙って食事を始めたので、私もそれに釣られるかのように食事を始めた。

ふと、ナイフとフォークを使う手に目が止まる。

「――握手、大変だった?」

「大丈夫。
 別段、楽しい仕事じゃなかったけど、今夜はマーサとゆっくり眠れると思ったら、それだけで乗り越えられたから」

「後二日。
 頑張ってね」

「――ありがとう」

穏やかな時間。
心配事や不安なんて抜きにして。

好きな人とは、ただずっと、こうして過ごしたいだけなのに。


それは私のワガママなのかしら。
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