Sweet Lover
「どうせ、鳩舎も壊すほかなかったし。
 アイツに燃やされたのは心外だけど――。
 耐えられないことじゃない。
 だから、もう、泣かないで」

良い子だから、と、響哉さんは私のこめかみにキスをする。

私は、妙に納得が行って思わず頬を緩ませた。

「じゃあ、目的を達成したから、独りでアメリカに帰るのね?」

「――人をこんなに夢中にさせておいて、そんな意地悪を言う子に育つなんて――」

響哉さんはオーバーに嘆くと、腕の中に私を抱き寄せた。

「一緒に来るってマーサが言ってくれたんだろう?
 ゴールデンウィークが終わったら、パスポートの申請に連れて行く。
 転校の手続きは俺に任せて」

決定事項のように、響哉さんがそう告げる。
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