LOVE SICK
「……こんなに営業ってしんどいとは思ってなかったな……」
学生の頃安易に描いていたイメージと実状はまるで違う。
花形だと思っていた営業という業種の実務は泥臭く、正直割に合わないと思う程に辛かった。
配属当時川井さんに良い感情を持っていなかった同期も、今では『川井さんがいてくれて良かった』とホッと胸を撫で下ろしている程だ。
営業にだけは行きたくない、と。
そうして深夜残業の最中、席を並べて仕事をするようになった川井さんの横で思わず俺が愚痴をこぼすと彼女も一瞬だけ手を止めて苦笑していた。
「だよね。でもこの会社はまだマシかな。前職よりは早く帰れるし。上司が頼りになるしね」
彼女はよくそう言っていて、俺はこの言葉を聞いて妬みが尊敬に変わった。
単純にすげえな、と思った。
よく耐えられるな、この子は、と。
川井さんは小柄でロングヘアの緩い巻き髪が似合う可愛らしい外見の女性だが、その実はかなり勝気で努力家だった。
俺が彼女に一目置くようになるのに大して時間はかからなかった。
学生の頃安易に描いていたイメージと実状はまるで違う。
花形だと思っていた営業という業種の実務は泥臭く、正直割に合わないと思う程に辛かった。
配属当時川井さんに良い感情を持っていなかった同期も、今では『川井さんがいてくれて良かった』とホッと胸を撫で下ろしている程だ。
営業にだけは行きたくない、と。
そうして深夜残業の最中、席を並べて仕事をするようになった川井さんの横で思わず俺が愚痴をこぼすと彼女も一瞬だけ手を止めて苦笑していた。
「だよね。でもこの会社はまだマシかな。前職よりは早く帰れるし。上司が頼りになるしね」
彼女はよくそう言っていて、俺はこの言葉を聞いて妬みが尊敬に変わった。
単純にすげえな、と思った。
よく耐えられるな、この子は、と。
川井さんは小柄でロングヘアの緩い巻き髪が似合う可愛らしい外見の女性だが、その実はかなり勝気で努力家だった。
俺が彼女に一目置くようになるのに大して時間はかからなかった。