LOVE SICK
「斎木はこういう社内運営業務は苦手だと思ってたけど早かったな」

「いえ。僕じゃなくて新入社員が実質やってくれたんですよ。僕は指示をしただけなんです」

「そうなのか。今年の営業の新人は優秀だな」


けれど俺の予想に反して斎木さんはあっさりと部長と支店長にネタばらしをして、当時の支店長から俺と川井さんの覚えが良くなったのはこれがきっかけだった。

俺が斎木さんを好きになったのもこれがきっかけ。

それまではただの怖い人だと思っていた。

営業チーフの斎木さんは仕事がずばぬけてできて厳しく、俺たちをど叱る上司の筆頭だったからだ。


因みに、斎木さんがチーフ昇任を決めたのもこれがきっかけだったのだと気が付いたのは随分と時間が経ってから。
仕事ができるが上に平気で立てつく事もあった斎木さんは『ワンマンプレーが多い人物』という評価をされていた。

このイメージを新入社員を上手く使う事で払拭したかったわけだ。
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