甘い言葉で
「拒否しないなら、同意したと見なすよ?」
ユズくんの唇があたしのそれと重なりあいそう。
それくらい近くにユズくんの顔がある。
「あゆみちゃん......」
ユズくんは、
イケメンで背も高くて、
いつもお姉さまに囲まれてて、
あたしなんかよりももっと可愛らしい子がお似合いで......
「あ、あたしよりももっといい人見つかるよ?ユズくん、カッコいいんだからさ......」
「俺は、あゆみちゃんの事が気に入ったの。好きになったの。今すぐ、抱きたいくらいにね。」
「ちょっと!何を急に!」
「今は我慢するよ。こんなところで抱きたくないし。それに、あゆみちゃん受験生でしょ?息抜きのキャンプが終わったら忙しくなるしさ。すべて終わってから......そうだね、今のおれの歳になるまでには覚悟決めてもらえると嬉しいかな」
ユズくんの視線があたしの唇を見てるのがよくわかる......
「おれも、来年は忙しいし。あ、進路ってもう決まってる?俺のいるところに来てくれたら毎日会えるよ?」
「え?ユズくんのガッコ?」
「そう。1年だけど、同じところに通えるって嬉しいよね」
ひとり妄想中のユズくん。
何を思ってらっしゃるの?
「ユズくん。あたし、もう行きたいところあるんだけど。多分、ユズくんの学校じゃないよ」
「え?そうなの?」