愛してるの代わりに
慎吾への淡い恋心は、何でも話せる親友にもまだ話していない。

未来を信用していないわけではない。

「誰にも言わないで」と言えばもちろん誰かに話すような人物ではないのはわかっている。

ただ、なぜか誰にも打ち明けることができないのだ。

理由は雛子自身にもわからないままなのだが……。





「ひーな」




トンッ。

軽く肩を叩かれる。

振り向かなくてもわかる、聞きなじみのある声が横から振ってくる。




「慎くん」

「今帰り?」

「うん、慎くんも?」

「おう」




「一緒に帰ろうぜ」

雛子の気持ちを知ってか知らずか、相変わらず慎吾はマイペースだ。

自分の心の内を見透かされないように心を落ち着かせて、雛子は慎吾の横を歩く。

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