愛してるの代わりに
「夏休みの宿題終わった?」

「いや、全然出来てない。雛は?」

「ほとんど終わったよ。夏休みももう後半戦だしね」

「え、マジ!? 今度写させてよ」

「……慎くんってば、一応私たち受験生なんだから……」




はあ、と大きくため息をつく雛子とは対照的にケラケラと笑う慎吾。




「受験生かあ……。雛は一高希望だったっけ?」

「うん。家からも近いし制服も可愛いから。慎くんは?」

「俺は……」

「……慎くん?」




急に黙ってしまった慎吾を雛子は心配そうに見つめる。

しばらく黙ってうつむいていた慎吾だったが、意を決したように顔を上げると、心配そうな雛子と視線がぶつかった。




「なんで雛が泣きそうな顔してんの?」

「な、泣きそうになんかなってないもん! ただ、慎くん黙っちゃったから聞いちゃいけなかったのかなって思って……」

「んなことねぇよ」

ふわっと微笑み、慎吾が優しく頭を撫でる。

表情と仕草に雛子の心拍数は急上昇。




うわ、動揺するな私。赤くなるな私の頬。

絶対絶対気付かれるなあ~っ!!!




自分の感情を抑えるため、必死に自分の心の中に問いかける雛子。

そんな雛子の行動にまったく気づかない慎吾が口を開く。

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