愛してるの代わりに
「あー、やっと抱きしめられる」
「え?」
「ホントはご飯食べた店で会った時にこうしたかったけど、みんなもいたしさぁ。っていうか1ヶ月前もホントはあと1日オフあったのに都合で雛にも会えず帰らなきゃいけなかったから、マジで雛不足なの、俺」
「……そんなこと言ったって、これまでは平気だったじゃない」
「バカか。好きって気付いた2年前からはずーっとこうしたくても我慢してたんだよ」
わかってよ、と少しだけ弱気な声が耳元に聞こえてきた。
恐る恐る余っていた両手を慎吾の背中にそっと回し、顔を胸に押し付けると、ドクンドクンと思ったよりも早い心臓の音が聴こえてきた。
「慎くんも、ドキドキしてる……?」
抱きしめる慎吾の手が緩み、顔を上に向けられると、少しだけ頬が染まっている慎吾と目が合った。
「ああ。雛と一緒だよ」
チュッ、と唇が何回か軽く重なり、段々と深くなっていく。
「ん……っ」
自分を求めてくるような情熱的なキスの後、雛子は慎吾の胸に再度顔をうずめた。
「雛?」
「恥ずかしくて慎くんの顔見られない」
「これからもっと恥ずかしいことするのに?」