愛してるの代わりに
「結婚しよう」
時が止まったかと思った。
突然のプロポーズに、何も言葉が出てこない。
「時期はまだわからないし、俺の仕事の関係で雛には迷惑かけるかも知れない。本当は雛も職場にちゃんと報告したりしなくちゃいけないだろうけど、それもギリギリとかにさせちゃうかも知れない。でも、俺は雛と家族になりたい」
言葉の代わりに涙が止まらない。
「この間、おじさんとおばさんにだけ宣言して、当の本人にちゃんと言ってなかったから……色々と考える前に、これが一番最初だよな」
雛子の頬に流れる涙を指で優しくぬぐいながら、慎吾が微笑む。
「慎くん、ありがとう。すっごいすっごい嬉しい」
涙をぬぐってくれる慎吾の右手を、両手でギュっと包み込み、慎吾を見上げる。
「私も、慎くんと家族になりたい。ずっとずっと一緒にいたい……」
最後まで言い終わらないうちに、唇がふさがれた。
一旦離れると、額や頬、耳たぶや首、色々な箇所にキスが落ちてきた。
「雛……」
返事の代わりに慎吾の首に両手を回し抱きつくと、雛子を抱えるようにして慎吾はベッドルームへと急ぐ。
先程までとは違うキスの雨に、蕩けそうになりながら、必死に応える。
「全部俺に預けて。俺を信じて……」
その言葉に大きくうなずくと、慎吾の手が雛子のパジャマへとのびた。
パジャマを脱がす慎吾の手が止まり、目が細まる。
「キレーな下着、着けてんだな。雛に似合ってて、可愛い」
昼間の未来との会話を思い出す。
未来ちゃん、ホントだね。
恋人に喜んでもらえるって、こんなに嬉しいことなんだね―――
慎吾の大きな愛に包まれながら、雛子は意識を手放した。