愛してるの代わりに



「二度寝してる場合じゃなかった」

「え? 何慎くん、朝早いの?」

「いや、そうじゃなくて。雛と一緒にいる時間を無駄にしたくないなと思って」

そういえばそうか、と雛子は慎吾の腕の中で納得する。

一応遠距離恋愛中のふたりにとっては、一緒にいられる時間は短い。

「ちょっと寝不足になってもいいから、雛の顔見ておきたいんだよ」

「ね、慎くん。ひとつ聞いてもいい?」

「ん? なんだ?」

「……慎くんって恋愛には意外とあまあまタイプだったんだね」

「……雛は意外と見かけによらず、そういやって冷静に考えられるタイプなんだね」

付き合いだしてからわかったこと。

結構慎吾は引っ付いたりするのが好きなんだなあってこと。

思えば幼馴染の関係の頃から、よく頭を撫でてたりすることはあったけれど、それくらいのスキンシップは未来や他の友人からもあったので、そこまで深く考えたことはなかったのだ。

しかし、告白した直後からキスをされたり、電話でも甘い言葉を囁かれたり。

昨日だって、愛撫の合間に何度も言葉でも甘い言葉を降らせてきた慎吾。

雛子にとっては初めての彼氏なので、誰かと比較できるわけではないのだけれど。

周りの話を聞く限り、結構甘いタイプなのではないか、と思えてくる。



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