Le Petit Princesse
ーーもうダメだ…!





ブライアンの歯が少し首に当たるか当たらないかというところで、ブライアンは吹き飛ばされていた。






「…えっ?」




フローラは一瞬何が起こったのかが分からなかった。




「イケメン王子、何か怪しいと思ったんだ!」





ーー嘘…だってさっきあんなに拗ねてたのに?





そこにいたのはエリックだった。




「…なっ!お前…。」


「エリックっ!」


「フローラ、戻らないと。」




そう言ってエリックはフローラの手を引いた。


エリックは前を歩いているため、どんな表情をしているのかは見えなかった。





「エリック、ごめんね…それからありがとう…!」





ーーエリック、怒ってるよね…?






エリックはしばらく黙っていた。
だが急に振り返ると、フローラの唇にキスをした。






「フローラは隙があり過ぎるんだよ。今ので許すけど、次はないからね?」





そう言って笑顔を向けた。


フローラはしばらく固まってしまったが、だんだん赤くなっていく顔を見られないように、つい俯いてしまった。






ーーエリックって…何者なの⁈
< 37 / 94 >

この作品をシェア

pagetop